「俺とキスしてみない?」

最後の一言だけ、妙にマジで。

じゃ、と手をひらひらさせて、ホントに出ていってしまった。

りんごは、まだ苦しそうに何か言ってる。

「だ……やだ……よ……」

「りんご?」

俺は、そっと名前を呼んだ。