「雄飛」
「・・・・」
「・・・おい」
「・・・・」
部活が始まる時間まではまだある。
部室に来て10分。雄飛は教室を出たときからずっと遠くを見ている。
・・・てか少しにやけてへんか・・?
(べしっ)
「っだ!何やねんいきなり!」
「ずっと呼びかけとんのに返事せんお前が悪いんや」
「俺?」
「気持ち悪いねん。さっきからぼーっとして」
雄飛は不思議そうな顔をして考え込んだあと、再びぼーっとする。
何やねんこいつ・・・・・・
「そんな嬉しいことあったんか?」
「う、嬉しいこと・・・?!」
雄飛はそうつぶやくとにやにやしたような、照れたようなもんのすごい気持ち悪い顔で言った。
「・・・香芝さん、めっちゃかわええと思わん?」
「・・・・・・」
そういうことか・・・・


