「東京から来ました・・・・香芝、風花です。短い間だけど一年間よろしくお願いします」
少しだけ緊張で声が震えてしまい、恥ずかしくなってぱっと礼をする。
恐る恐る顔をあげると、クラスのみんなは拍手をしてくれた。
「一年間よろしゅう!」とか聞こえてくる言葉が歓迎の言葉で安心した。
前の学校や小学校のときに、転入生の子たちを何度か見てきた。
でも私にとっては今回が初めての転校で。転入生ってこんなに緊張するんだなぁ・・!
ほっとして顔を緩ませていると、真木先生が空席になっているところを指さし、「香芝の席はそこな」と言った。
かばんを持ち直し、その席へと足を進める。
いすを引き、座ったとたん周りの女の子達が一斉に話しかけられる。
「風花ちゃんって呼んでいい?」「家どっちの方向なん?」「今度街案内したるで!」
「え、あ・・!う・・」
またまた質問攻め・・・!
どの質問から答えていけばいいんだろう・・・・?!
「みんな、香芝さん困ってるから・・・」
苦笑しながら私の後ろの席の子がみんなを制してくれた。
「小宮のいうとおりやで!まだSHR終わっとらんやろ!」
後ろの子・・・小宮さんに続いて真木先生が笑いながら女の子達に席につくよう促す。
女の子たちも「はーい!」と返事をしながら席へと戻る。


