「李那・・・。」


 俺はこのとき、人間ってみんな同じだ。と、


 深く思った・・・。


 「アンタなんかアタシと李那の前から


 消えて頂戴。」


 「あぁ。わかった」


 いきなり展開が変わった。


 消えてくれだと?


 なんで自分で腹痛めて生んだ


 自分の子供にそんなこといえるんだ?


 俺の親もこいつの親もおんなじなのか?


 だとしたらこいつらはおかしい。



 おかしすぎる・・・。



 「おい、李那のお袋さん。」


 「なによ?あんた誰?拓巳の友達?」


 「そうだよ。アンタ自分で腹痛めて生んだ子供が


 かわいくないんか?」


 「かわいいわよ。李那はね。」


 「なんで、拓巳と差別するんだよ」


 「何でって、そんなのアンタに関係ないじゃない」


 「あるんだよ。俺、こいつのダチだから。」


 「零斗・・・。」


 俺は拓巳に向かってピースをした。めっちゃ笑顔で。


 拓巳はそんな俺に笑顔を返してくれた。