天気も良くないし、干した洗濯物が気になるから、はやく帰ろう。 そう言ったのに、彼は私を引き止めた。 無理やり公園のベンチに座らされたことに何の疑問も持たず。 沈黙さえ、心地よく感じた。 「別れよう。」 次に出てきた言葉は、そんななんとも簡単で分かりやすく、腹立たしい言葉だった。 他に好きな人ができた、と続ける彼を、問詰める気にもならない。 ううん、むしろ知っていた、という方が正しい。