「あの・・・」

「ん?」

俺は思い切って聞いてみることにした。

「俺の家は、離婚していて・・・中学の時もめちゃくちゃやってて・・・」

「うん」

「理沙を支えていく気持ちに変わりはないんですけど・・・」

俺が口を濁していると

「パートナーとしては、どうかって?」

気持ちに気がついてくれる。

「・・・・はい」

「ねぇ、隆平君。私が社長令嬢ではなくて一般人だってことは知ってる?」

「はい。聞いたことはあります」

「しかも、両親は離婚していて、父親の暴力がひどくて洸一に拾われて、それに今の父親は私を養女にしてくれて私の父親はだれかわからない・・・・」

「え!?」

今、さらっと・・・なんか凄いこと言ったよな?

「凄いでしょ?」

「あ、はい・・・」

「私は高校の時に、洸一に助けられたの。最初は秘書になれって言われてね・・・頑張って秘書になったはいいけど、そのあとが本当に大変で・・・覚えることが山ほどあって・・・どうしてこんなに覚えさせるんだろう・・・パーティーにも出させるし・・・」

「はぁ」

驚く話ばかりだ。

「だけど、洸一は私と一緒になるために、厳しく教えてきたんだって・・・それを知ったときは感動したわ・・・だけど、ご両親が反対した。私では役不足だと。それに家柄も・・・」

「・・・はい」

「でもね・・・洸一が・・・私と出なければ会社を継がない!って駄々をこねてね」

「えええ」

「・・・理沙ちゃんも同じじゃないの?」

「・・・はい。俺と一緒になれないなら、医者になるのをやめるって・・・・俺たちはまだ高校生で、これからの事はわからない。理沙の隣にいるのに答えを出すのは早いのかもしれないけど・・・」

「そんな事はいいわけだ」

男の人の声がした・・・と思って声のほうをみると

「洸一さん?」