それから数日がたつ。

私は相変わらず何も進展しないままだった。

まぁ・・・世の中そんな簡単に彼氏なんて出来るわけないし、両思いなんて奇跡に近い。

・・・好きな人と両思いになるってどんな気持ちになるのか・・・いつになったら味わえるのだろう。



毎朝理沙は隆平さんと会うために早い電車で行っている。

あの朝の弱い理沙がここまで頑張れるんだもんなぁ。

やっぱり恋の力ってすごい。


一人ホームで電車を待っていると、少し離れたところに日向先輩を見つけた。

わぁ!・・・ラッキー。

やっぱり・・・かっこいいよなぁ・・・・。

身長は178cm中学時代は野球部のピッチャーで注目されてたんだけど・・・肩を壊してやめたって聞いた。

先輩は毎朝音楽を聴きながら電車に乗るんだよね。


私の視線に気が付いたのか、ふとこちらを見ると目が合ったような気がした。

ん?

日向先輩・・・手を振っている・・・。

誰に?

私はキョロキョロ周りを見渡すけど・・・それらしき友達はいない。

もう一度日向先輩を見ると・・やっぱり手を振って・・・・

!!

もしかして・・・私?

思わず私は自分を指差してみる。

するとコクンと日向先輩が頷いた。


うそ!?

私に手を振ってくれてたの?

顔がどんどん熱くなるのが分かった。

真っ赤になりながら3回くらい続けて頭を下げると、それが面白かったのか

「ププッ」

と笑っていた。


・・・いつも笑われるなぁ・・・。

あの笑顔が見られるだけで幸せだけど。