片思い?両思い?




茜ちゃんがこっちに歩いてくるのが分かって、俺も歩み寄る。

「茜ちゃん・・・どうしたの?」

ここに彼女がいてくれることが、嬉しくて自然と笑顔になっていた。

茜ちゃんは、言いにくそうに

「あの・・・隆平さんに・・・その・・・」

だから、俺が言いにくいところを聞いてみた。

「早苗との事・・・聞いたの?」

「はい・・・」

俯いたまま、俺のことは見ない。

「・・・そっか・・・」

何から話そうかと考えていると

「・・・ごめんなさい」

「ん?」

いきなり誤られて・・・

「・・・来ない方が、良かったですよね・・・」

ああ・・・1人になりたかったと思ったのかな?

「・・いや・・・来てくれて良かったよ?」

会いに行くつもりだったし・・・・ここにいてくれることが本当に嬉しいから。

俺を見る茜ちゃんの目には涙が溜まっていて、今にもあふれ出しそうだ・・・。

「・・・・日向先輩」

「うん?」

なんだ?

「迷惑かも知れないですけど・・・私・・・あの・・・」

「うん・・・?」

何を言おうと・・・

「私・・・中学のときから・・・先輩のこと・・・・す「待って!ちょっと待って」

俺は慌てて茜ちゃんの言葉をさえぎった。

・・今、言おうとしてたことって・・・。

いや・・・俺の勘違いかもしれないけど・・・告白は俺からするって決めてたから。

「茜ちゃん・・・」

「はい・・・」

「俺から言わせて・・」

俺の気持ちを先に伝えないと・・・。

「え?・・・」

少し不安そうに俺を見てる。

俺は深く息を吸い込んだ。

そして-------



「俺・・・茜ちゃんが好きだ」



彼女に気持ちを伝えたんだ。