振られると思ったから、頭がうまく働かない。
思考回路停止。
「え・・・いえ・・あの・・・え?」
オロオロする私を見ながら、クスクスと笑う日向先輩。
私はいっぱいいっぱいだ。
そんな私にもう一度言ってくれる。
「・・・好きって言ったんだよ?」
嘘・・・そんな事・・・あるわけ・・・ないよ・・・。
「だ、誰がでしゅか?」
あれ?噛んだ?・・・大事なところで噛んだ?
「フッ・・・俺が」
「だ、だれ・・」
「茜ちゃんを・・・」
そこまで言われたら・・・涙が溢れた。
ふっと甘い香りがしたと思ったら・・・日向先輩が抱きしめてくれていた。
信じられない・・・こんなことって・・・あるの?
夢かな?
電車に乗って寝ちゃったのかな?
夢かもしれないから、私も伝えなくちゃ・・・・・
「私も・・」
「うん」
涙は止まらないまま
「私もずっと・・・ずっと・・・日向先輩が・・・好き・・でした」
ギュウっと抱きしめられた腕に力が入って
「うん、ありがとう」
優しい声で言ってくれる日向先輩の背中に手を回す。
どうしてだろう・・・涙が止まらないのは・・・。
胸がぎゅーってなって・・・体が熱くなって・・・顔も熱くて・・・なんて言ったらいいか分からない。
・・・だけど・・・抱きしめられてる心は温かくて・・・・とても幸せだった。



