どちらともなく近づいて、空き地のちょうど真ん中に立つ。
「茜ちゃん・・・どうしたの?」
優しく微笑んで聞く日向先輩に、涙が出そうになるけど、どうにか堪えていた。
「あの・・・隆平さんに・・・その・・・」
「早苗との事・・・聞いたの?」
「はい・・・」
俯いたまま、日向先輩の顔を見ることが出来なかった。
「・・・そっか・・・」
ハッ・・・そうだ。
いきなり来ちゃったけど・・・もしかしたら1人になりたかったかもしれない・・・。
私はここに来ちゃいけなかったのかも・・・。
「・・・ごめんなさい」
「ん?」
「・・・来ない方が、良かったですよね・・・」
「・・いや・・・来てくれて良かったよ?」
顔を上げて日向先輩をみると・・・凄く優しく微笑んでくれていて・・・。
言葉が自然に出ていた。
「・・・・日向先輩」
「うん?」
「迷惑かも知れないですけど・・・私・・・あの・・・」
「うん・・・?」
「私・・・中学のときから・・・先輩のこと・・・・す「待って!ちょっと待って」
私の告白は途中でさえぎられた。
・・・ここまで勇気を振り縛ったのに・・・。
「茜ちゃん・・・」
「はい・・・」
「俺から言わせて・・」
「え?・・・」
何を?・・・告白する前に・・・振られちゃう?
「俺・・・茜ちゃんが好きだ」
「・・・?・・・え?・・・」
・・・す・・・き・・・?
「あれ?聞こえなかった?」



