『……んッ』

荒々しく噛み付くようにキスをするこいつを本当なら殴ってやりたい位なのに。
『…やぁ…ッ』

服の中に忍びこむ手に素直に反応してしまう自分が憎かった。


服を脱がされ,下着姿になった時,ようやく自分が今置かれている状況が飲み込めた

それと同時に込み上げてくる恐怖心。


『…嫌…やめ…て…』
『天下の舞姫もベッドの上ではただの女ってか?』

震えるあたしを楽しそうに見つめる柊にまた,恐怖を覚える。

『…たす…けて』


自分が選んだ道。

それなのに,助けを求める自分が情けない。

仲間の為。

それなのに逃げ出そうとする自分が憎い。