柊は,ニヤりと気持ち悪く笑うと
『交渉成立だな。』
そう言ってあたしの腰に腕を回し倉庫の外に出た。
自分の身を削ってまで何になるのか。
そう聞かれたら迷わず答えるだろう。
チームがあたしの全てだから。と。
プライドも。
心も。
もう何もかも傷だらけの自分。
だけど,これでチームが助かると思えばまだ微かに笑えた。
まるで魂の抜けたような顔をして柊と倉庫を出て行く自分たちの総長を見て,メンバー全員が戦いは終わったのに喜ぶことができなっかた。
傷ついたのは舞姫だけじゃなく,舞蝶全員が。
戦いが終わっても,傷ついた心はそう簡単には治らない。
やっと起動にのった舞蝶のこの事態に,翔も天国から不安そうにうかがっていた。