ズコッ

ボコッ

バキッ



校庭は殴り合う男達で溢れていた。

血塗れで倒れている男。
金属バッドを持っている男。


誰1人として,あたしに気付く奴はいなかった。

あたしは,初めて喧嘩が汚いと思った。

初めて醜いと思った。



皆忘れてる。
翔が何を望んだのか忘れてる。




『止めろ!』


あたしは,校庭に向かって叫んだ。