ブンブンブン


多数のバイクのエンジン音が校庭に響いた。

『おいっ!あれ舞蝶じゃね?』

その言葉にあたしは固まった。

今,なんて?
舞蝶なんて,嘘でしょ?

『本当じゃん!?』
『でも,舞姫居なくね。』
『馬路かよ。俺超見てみたかったのに。』
『超美人らしいよな。』

クラスのほとんどの奴らがベランダに身を寄せる。

…どうして。

どうして,ここに居るの?
喧嘩はしないって言ったのに。


『お前等!今すぐ準備しろ!』
『『『おぉ!』』』

蓮樹のその言葉はこれから始まる戦いを意味した。


いつの間にか先生は避難し、クラスメイト達も教室から出ていった。

ただ1人。
空輝を覗いて。