次の授業は、先生に急用ができたということで自習になった。
さすがに受験前というだけあって、『やったぁ!』とウロウロする人はいない。
私はノートをひろげて
にらめっこ。
“だめっ!頭がまわんない”
トントンと肩をたたかれた。
『横尾さぁぁぁん!
すげぇね!?びっくりしたよ!
しゅんは王子様だからね。
むかしっからモッテモテだったんだぞぉぉぉ?
でも、カノジョなんてみたことないから………
横尾さんが初カノ?
ウヒョヒョ〜』
安部君が机からカラダを乗りだして話しかけてきた。
「そ、そんな……まだ返事もしてないし……////」
ニタニタ笑う安部君。
まるで“断る理由なんてないでしょ?”とでも言いたそうだ。
『あいつばーっかり
いいおもいするのもくやすぃーーーから、あいつの“ヒミツ”をおしえてあげるよ!!!!』
「えっ!?ナニ?」
安部君のほうに耳を近付けた。