む☆げん愛



ふわっと誰かに肩を抱き寄せられた。





けいちゃんだ!!!





もしけいちゃんがこの場にいなければ、私は逃げ出してしまっていたかもしれない。






けいちゃんに視線をやると、〈ウン〉とうなずくけいちゃん。







私は意をけっして顔をあげた。






『いや、俺の片思い』





吉井君と目が合う。





『しゅんーーー!!それ告ってんのとおなじだぞぉぉぉ』





『もう告った!』





ニッと口角をあげて笑う吉井君………
クリックリッの目がさがって笑いシワができている。




見るものすべてを吸いこんでしまいそうなその笑顔は、まさしく王子様の笑顔だった。







周りからは

「キャー!」とか「うっそ、まじかよー」とか「なんでー?」とか、いろんな声が聞こえてきた。





泣いて教室からとび出して行っちゃった子も見えた。









やっぱり吉井君はみんなの王子様だったんだ……

改めて実感する。