『しゅんはどーして横尾さんのこと“あのんちゃん”てよんでるんだぁ??
おまえが女を名前でよぶなんざぁ、幼稚園来きいたことないぞぉーーーー!!』
〈ドキッ〉心臓が一瞬はねた。
少しイタイところをつかれてしまった…
私と吉井君の関係はあいまいなままで、
“返事”もまだしていないし、吉井君も聞いてこない。
私はうつむいたまま顔をあげられずにいた。
『俺がよびたいからだよ!』
吉井君の声だ………
私の顔はみるみるうちに熱っぽくなっていく/////
ますます顔があげられない。
『ぅおぃぃーーー!!!
おまえら、まさかつきあってんのかぁぁぁ!?』
教室中に響きわたる声。
教室がまたシーンとなった。
顔をあげなくても、
いま自分たちがクラス中の視線をあびていることくらいわかる。

