そうして、私の新しい生活が動きはじめた。





「けいちゃん!しってたぁ?伊藤先生って子どもが3人もいるんだって!」




休み時間のチャイムがなると同時にけいちゃんの席にかけ寄る。





けいちゃんの席は左側の1番うしろ。
窓際の特等席だ!




私の席が右側の1番前という、ついてない席だから遊びに行くのはいつも私。





『へぇ…いかにも優しいマダムって雰囲気なのにね?意外かも…だれ情報?』




「安部君だよ!」





安部君は私の席のすぐ後ろの席に座っている。



クラスのムードメーカーで、


授業中にトントンと肩を叩いてきては、つまらないギャグを言ったり、先生の裏情報を教えてくれたりする。




最初は困ったけど

そんな安部君のおかげで、ついてない席のわりにはけっこう楽しめている。