俺は瞬時に、
似たような話しを探し出し“気持ちがわかる”を本物にしようとした。


しかし、愛音ちゃんはずっと無言で俯いている。


相槌すらうってくれない。

(どーしたらいいんだよ……)


愛音ちゃんの様子に気付いたが、一度発した言葉は訂正できない。


俺は夢中で話し続けた。


(焦り過ぎた。嫌われたな……)



俯いていた愛音ちゃんがまた肩を震わせている。


(クソッ!俺のせいだ!)


俺は叫びたい衝動に駆られて机に飛び乗った。


『くっそぉ―――――!
こんのヤロー――――!!
バカヤロォ――――――!!!』


抱き締めたい強い気持ちと、俺にはその資格がないという絶望感。


そのジレンマを払拭する事もできない弱っちぃ俺。


『頼むから泣かないで!?
危うく抱きしめそうになるじゃん!!』



弱っちぃ俺の口をついて出てきたのは本音だった。



(かっこわりぃ……)