む☆げん愛



吉井君は保健室のドアを閉めると


泣いている私の手を握り、

もと来た道とは反対に歩き出した。





握られている右手から温もりが伝わってきて


私の胸をもっと熱くする。



静かな廊下で私の嗚咽だけが響いていた。




吉井君はただ黙って、自分の力では前に進む事すらできない私を力強く引いてくれた。