私が話し終える頃には、梶山先生の触診は終わっていて 『ありがとう。わかったわ。ちょっと貧血があったのじゃないかしら? 今は眠っているだけだから安心してね。』 そう言って笑顔を向けてくれた。 その笑顔で緊張が解け、気付けば泣いていた。 (よかった……) 「じゃ、俺ら教室戻ります。花戸の事よろしくお願いします。」 吉井君はそう言うと、後ろから私の両肩に手を置き、くるりと回れ右させた。 吉井君に押されながら保健室を後にする。