『ねぇ、保健室連れて行った方がよくない?』 『おい、誰か先生呼べー!』 ザワザワ騒ぎはだんだん大きくなっていき、 事の重大さに気付き始めた私は、動けないでいる親友を目の前に、 足がすくんで言葉すらかけてあげられずにただ呆然としていた。 『……ちゃん!……んちゃん!…愛音ちゃん!』 呼ばれた声に気付くと、私の左隣には吉井君がいた。 目を見開いて私を見ている。