『しかしですね、お母さん、
そろそろ志望大学を絞って勉強したほうが良いと思うんです。
申しわけないですけど、今の成績では間にあわ…《先生!!》』
お母さんが先生の話しをさえぎる。
「先生が生徒の力量を決めてどうするんですか?
応援してくださらないんですか?」
『いぇ、そういうわけでは…』
「今日は失礼します!」
お母さんは勢いよく立ちあがると、
私の右腕を力強く掴んだまま教室を出た。
私はお母さんに見つからないように
左手でOKサインを作り、
(だいじょうぶ)と口パクして先生に伝えると、
笑顔で教室を出た。

