左側の窓に視線をやると、 みごとに咲き誇った桜の木から、 役目を終えた花びらが風に揺られて落ちていく。 花びらのように、 私のカラダは重力に逆らえずに落ちていくような感覚。 《終わった…》 「でも先生…― まだ春ですわ。 入試までにはきっちりとやらせますから!ウフフ」 聞きなれた甲高い声。