その日の夜、わたしは早坂さんに電話をかけた。






「……お兄さんに背中を押してもらえたら、勇気が出るんじゃないかな?
って思うんです。


お兄さんのこと大好きだから、裏切ってしまった自分に自信がもてないんじゃないかな。


認めてもらいたくて罰ゲームとかもノッたんじゃないかな」






早坂さんは、初めのうちは“関わるな!!ほっとけ!!”って怒っていたけど、最後には、ハルに話してみる、と言ってくれた。







おせっかいなのは分かってる。







だけど、吉井君を助けてあげたい。






心を軽くしてあげたい。







わたしが早坂さんにしてもらったように……――。







わたしと吉井君は似たもの同士だったんだ。







弱さを抱えた似たもの同士。






だれかに認めてもらいたくて、自信につながる源を探してたんだ……―――。