「ねぇ、けいちゃんが貧血で倒れたとき、
どうして保健室まで連れて行ってくれたの?
どうしてジョン・カール展に私を誘ってくれたの?
それってさ、まだ梶山先生とどこかでつながっていたいからじゃないの?
まだ先生のことが好きな…『『待って!!!』』」
吉井君のクリックリな目が、それ以上言わないでって訴えていた。
私はバカだ。
吉井君がどれほどの思いで“好き”って言葉を胸の奥にしまいこんだのかも知らずに……
簡単に口にしてしまった。
こんなに切ない表情をさせてから、そのことに気付くなんて……。
吉井君は、こんなに中途半端で終わっていいわけがないって言った。
一度、向き合わないといけないって。
わかってるんだけど、その一歩を踏み出す勇気がないって……。