新しい学期が始まった。





相変わらず、山岡さんたちにもまだ気を遣ってしまうけど、少しの変化はあった。





昼食メンバーの名前を覚えた。





‘愛音ちゃん’て呼んでもらえるようになった。





わたしから誘わなくても誘ってもらえるようになった。





これもみんなきっと、早坂さんが勇気を与えてくれているから。






毎晩とはいかないけど、空き時間には電話やメールをくれるようになった。





他愛もないこと。






だけど、そのほとんどが学校での私を気にかけてくれていた。





わたしが友だち関係で悩んでいることを話したから。




頑張れなんて言わない。


ただ私の思いを聞いてくれるだけ。




それだけで肩の荷がスッと下りる。





気負いすぎたんだ。






わたしはどれほど早坂さんに助けられるんだろう…。





どんどん好きになっていく自分がこわい…――。