『ここに座って!』 そう言って吉井君は椅子の上に置いてあった通学バッグを床に下ろした。 私は2つ並んだパイプ椅子の左側に腰を落とす。 右隣には吉井君。互いの肩があと数センチで触れ合いそうな距離だ。 「吉井君、あの…」 『どうしたの?』 私はもじもじしながら吉井君を見る。