「勘違いってナニ?俺も勘違いしてたかなぁ?

おまえ、好きでもないやつに“好き”とか言ってんじゃねーよ!」





うあぁぁぁぁ!!!何言ってんだ俺。






『そんな大事なこと…大事な人にしか言わない…です』





―イラツー






「おまえ彼氏いんだろ?

ホラ、塾の帰り、いっつも一緒に帰ってたじゃねーか。
海で会ったときも、かっこよく助けにきてくれただろーが!!」






―イライラ―





やべぇ、抑えらんねぇ。






あまりの大声に、小動物みたいにまんまるな目を、さらにまるくさせるあいつ。





『塾の帰りって…見てたんですかぁぁぁ!!!///』





そうだよ!!




見たくもなかったけど。




見つけたくもなかったけど。




なんでかな。




見つけちまうんだ。




目が追っちまうんだ。




だけど、こんなことは絶対に言えないから。





「病院内は禁煙だからな。
外の喫煙所行ったとき、たまーにな。見かけたんだ」



ほんとは、それだけじゃなくて、回診に行ったときにも窓から見えてたけど。




ハルの弟と並んで授業受けてるの。




それを見つけるたびに、胸の奥がキュッと締め付けられたんだ。