『適当に座って』







リビングのソファに腰を落とす。







このリビングから早坂さんの部屋までお姫様だっこしてもらったっけ////







思い出すだけで
愛しさと虚しさが同時にこみ上げてくる、なんとも不思議な感覚。








お兄さんはソファの肘掛に座って、ペットボトルのミネラルウォーターを飲んでいる。








「あの、お兄さん、て…
女恐怖症では、ないですか?」








グフッ・・・

飲んでいたミネラルウォーターを吹き出しそうになるお兄さん。







『はぁぁ???なんだ、それ?
むしろ愛好家だけど?』








「え、と…重症だって……」








『誰が言ったの?』







私はお兄さんに話した。



早坂さんと知り合いな、こと。



家庭教師をしてもらっていたこと。








『まじ?アレ君だったの?』






「はい、そうなんです。
私もビックリで……」






改めてお互い自己紹介をする。



吉井君のお兄さんであり、早坂さんの同居人であるこの人の名前は

《吉井 晴人(ハルト)》さん。



髪の毛は色を入れているのか、うっすら茶色く、短髪。

クリックリの目が吉井君とそっくり。



長身で、吉井君がそのまま大人になった感じ。