―ドク。ドク。ドク。―






いったい何を告げられるというのか。






極度の緊張は呼吸をすることすら苦しくさせる。







『愛音ちゃん…兄さんの言ったことは本当なんだ』







サーッと全身から血の気が引く。






頭がクラクラしてきた…―。






『愛音ちゃんと図書館であった日、俺は兄さんからこう言われてたんだ。

“俺が電話をかけたときに一番そばにいる女に告白しろ。
そうして誰かと付き合うまでこのゲームは終わらない”って。』








「それが、罰ゲーム?」







『うん、そうだよ』






「ひどい……どうしてそんな……―。」







『俺はね、兄さんにとてもひどいことをしたんだ。

裏切った。

だから、兄さんがそれで少しでも気が晴れるなら。

当然の報いだと思って、軽い気持ちで承諾したんだ。

相手の人には悪いけど、すぐに何かきちんとした理由をつけて別れたらいいって…』






吉井君の、まっすぐな瞳を見ることができなくなった。







私は頭をかかえこむ。







それでもなお、吉井君の告白は続けられた…