『おまえ、いたのか…』
「吉井君…」
『あとは俺が話すよ』
話ってなに?
罰ゲームだったんだよ。
代わり身だったんだよ。
全部うそだったんだよ。
そんなの聞きたくないよ。
お願いだから傷つけないで。
もうこれ以上は受け止めきれないよ。
「やだ、聞きたくない」
首をぶんぶん横にふる。
『愛音ちゃん、お願いだから聞いて』
「やだ!!裏ギラないって。信じていいって。
言ってくれたじゃない」
『うん、だから話しておかなければいけないと思ってたんだ』
吉井君はなだめるようにして優しく私の肩をさする。
その優しい手に導かれてソファに座る。
『兄さん悪い、2人で話したいんだ』
『はいはい。お前はかっこいいね。まったく…』
お兄さんは
両方の手のひらを天井に向けると、リビングから出て行った。
ソファに2人で腰掛けている。