「そんな冗談、聞く必要もありません!
絶対にウソなんだから…」
信じられるわけない。
今そのウソを受け入れてしまったら、私はこの場に立っていることができるだろうか。
『ぷぷっ…ハッハッハ!
君サイコー!
健気〜♪
まさか…“ジョン・コール”好きとか言わないよね?』
ドキリ。
「どうして…それを…。」
『えぇっ!まじで?
適当に聞いたんだけど』
本当に驚いた表情のお兄さん。
『ということは、君は代わり身だったんだ。』
(???)
『あいつは、前の女に似てるから君を好きになったんだ。
君自身が好きなわけじゃない。
似てるから好きなんだ。
つまり、いつまでも君にその女を越えることはできないってこと。
これでわかったろ?あいつの正体…』
険しい表情のまま、ジリジリと距離を縮めるお兄さん。
私にとどめをさすかのように。
“罰ゲーム”“代わり身”理解できない言葉が頭の中をぐるぐる回っている。
『兄さん、その辺でいい?』
声のした方を向くと、ドアの前には吉井君が立っていた。

