む☆げん愛




「そんな冗談、聞く必要もありません!
絶対にウソなんだから…」




信じられるわけない。





今そのウソを受け入れてしまったら、私はこの場に立っていることができるだろうか。





『ぷぷっ…ハッハッハ!
君サイコー!

健気〜♪

まさか…“ジョン・コール”好きとか言わないよね?』






ドキリ。





「どうして…それを…。」




『えぇっ!まじで?

適当に聞いたんだけど』






本当に驚いた表情のお兄さん。






『ということは、君は代わり身だったんだ。』  





(???)





『あいつは、前の女に似てるから君を好きになったんだ。

君自身が好きなわけじゃない。 

似てるから好きなんだ。 
つまり、いつまでも君にその女を越えることはできないってこと。

これでわかったろ?あいつの正体…』





険しい表情のまま、ジリジリと距離を縮めるお兄さん。





私にとどめをさすかのように。





“罰ゲーム”“代わり身”理解できない言葉が頭の中をぐるぐる回っている。














『兄さん、その辺でいい?』





声のした方を向くと、ドアの前には吉井君が立っていた。