『考えといて』
優しく微笑みながら、頭にポンと手を乗せる吉井君。
恋人でも友達でもない。
お互いだけが信じられる存在で、そばにいる。
それが上手くいけば結婚。
そんな存在の人がいれば、私にはもう無理をして人間関係を築く必要がない。
大学に入っても吉井君のそばにいればいい。
もう、お弁当を食べる相手を探したり、わからない話に適当に笑ったりしなくていいんだ。
好きな人に彼女がいるかもしれないと疑ったり、
失言したと落ち込んだり、
すれ違っても目も合わせてくれない関係になったり、
告白してもため息をつかれたり…
そんなことで苦しまなくていいんだ。
そんな人生もいいかもしれない…
傷つかなくて済む。
吉井君のこと…信じてもいい?
「ちゃんと考えるね…」
『うん。俺が愛音ちゃんの全部になるよ。』
ギュウと抱きしめられた。
すんなり受け入れることができた。
私、吉井君と
やっていけるかも?
ふとそんな考えが、頭の中をよぎった。

