『ねぇ、愛音ちゃんはジョン・コールのどこが好きなの?』
「私はね、あの人の絵が好きなんだ。絵に力強さを感じるの。失敗も何も恐れない強さっていうか…
絵を見てるだけで力が湧いてくるんだよ!
色彩も鮮やかで色も好きだしね♪」
『フフ。目、輝きすぎ…
子どもみたい。
ホントに好きなんだね』
「私はね、弱虫なの…
みんなみたいに自分だけじゃ生きていけない。
何かにパワーをもらいながらしか生きれないの」
『………。
みんなそうなんじゃない?
何か、人であったり、物であったり、何かに依存しながら生きてるんじゃない?』
「吉井君は?」
『俺だってそうだよ?
だけど、依存する対象が人であったら、裏切られたりもする。』
「そうなの。人は裏切ることができる。その点、物は裏切らないからね…」
『あの先生とはどーなの?』
「……………。」
『裏切られた?』
「わかんない…
でも、これ以上に依存しちゃったらダメだと思った」
『ねぇ、愛音ちゃん。
俺もね…ある人に依存しちゃってね…
失敗したことがあるんだ。
俺たち似てるのかもしれないね』
私たち似てるの?
人に傷ついたもの同士ってこと?
吉井君は何に傷ついたんだろう。

