カフェを出る。
よし、言うぞ!!
近くの公園を目指す。
「ねぇ、どこ行くの?」
『ついてきて?』
今までは雰囲気に任せて言えたけど、いざ計画的に告白するとなると緊張が襲う。
俺は、告白の言葉を頭の中で何度も繰り返していた。
………
……………
……………………
ゴロゴロ…
突然、雷の音が聞こえたと思ったら…
ポツ…ポツ…ポツ…ポツ…
青空に
灰色の雲が一瞬にして広がって、雨が落ちてきた。
ポツポツと小粒の雨は瞬く間に大粒の雨となり、
滝のようにゴーっと地響きを鳴らせて降りだした。
「きゃー。何この雨…
夕立だよね?」
慌てて近くのバス停にかけこんだけど、2人ともずぶ濡れ。
『うん。夕立だろ?
すぐに止む…だ………』
「なに?」
『いや…。
ねぇ、家近くなんだ…。
服乾かして行きなよ?』
「いいよー。そんなの…。私、風邪とか滅多にひかないし」
『ダメ!』
どしゃ降りの雨の中
愛音ちゃんの手を引いて走る
ホントに風邪ひかせたらごめんね…
だけど、見せたくなかったんだ。
雨に濡れ過ぎたTシャツは、本来の役目を果たさず
ブラジャーの色形をはっきりと透き通らせていた…
それを指さしてニタニタ見ていた、バスを待つ学生たち。
なに見てんだクソ!
勝手に見るんじゃねー!
新しく買ったばかりの参考書はきっとずぶ濡れだ…
だけど、そんなものどーだっていい。
もっと大切なものを
早く避難させてあげたい。
俺は、
握ってる手に力をこめた……―。