思いきりドアノブを回して中に入る






中に人はいない…





《キュッ》





奥のシャワー室からシャワーが止められた音がした







《シャッ!》





カーテンが開かれて中から男がでてくる







続いて……





……………!!!!!!!!






『おいっ!!

テメー!何してんだよー!!!』






男の腕を掴んで左頬に拳をくらわせる






男はよろけることもなく

殴られたばかりの頬を拭った






『イッテ……

何だ?イキナリ…

お前……

そうか。

心配すんな!何もしてねーよ。』







男はそう言って更衣室から出て行った






『愛音ちゃん…
大丈夫??ごめんね…

もっと早くに気付けば良かった…』







白いビキニから見えている肌は全身真っ赤





目を潤ませて今にも泣きだしそうな愛音ちゃん







「大丈夫…

ホントに…何も…なかったの…何も………」






潤んだ目から大粒の涙がこぼれ落ちた






俺は、思わず
小さく肩を震わせて泣く愛音ちゃんを抱き寄せた







抱き締めたら何となくわかってしまった






あの男がホントに何もしてないこと






あれが愛音ちゃんの好きな先生なんじゃないか?ってこと…








俺に抱かれてるのに
愛音ちゃんの頭の中は、あの男のことでいっぱいなこと……―






悔しいけど抱き締める





今の俺にはそれしかできないから…