夏期講習が始まった







個人塾とは違って
難関校突破を目指してる塾だけあって熱気が違う…






周りの生徒たちも、最後の追込みで目の色がちがう…





私は完全に浮いていた







そんな私に気を遣ってか、吉井君はいつも側にいてくれた








周りの女の子たちからの視線がイタかったけど…






そんな視線も見通してのことか、ずっと側にいてくれた







講習の帰りは夜になる






吉井君は毎日、家まで送ってくれた








そんなこんなで、私は1日のほとんどを吉井君と過ごす日が続いた…








夏期講習中は
けいちゃんの面会時間内に会いにいくことができなくなった



あの日、スレ違って以来
早坂さんから連絡もないし、私もかける勇気がなくて…声すら聞けていない。








そんな私たちだけど…

誰のイタズラなのか…






私の通う塾は
道路を隔ててM医科大学病院と対面していた











病院の無数にある窓を見上げては、どこかの窓から早坂さんの後ろ姿だけでも見えないか…と探してみる







だけど
そんな願いは虚しく…
叶うことはなかった