『あーあ…
中谷さんてキレイよね?』





お菓子を注意されたばかりの木村さんが呟く








『そうそう。
まさしく、“出来る女”って感じ…

文句なしに
お似合いよねぇ?』






中田さんが天井を見上げながらため息をつく…







『お似合いって…
どういうことですか?』






けいちゃんが身をのりだして質問する








『あら?
知らなかった?

早坂先生と中谷さん

つきあってるのよ?』








えっ………ウソ…。







一瞬、血の気がサーッと引いて倒れそうになった






『愛音ちょっときて!』






けいちゃんに連れられて
産婦人科病棟内の洗濯室に行く







私たちはいつもこの洗濯室でヒミツの話しをしている







「けいちゃん…

私バカだ。

家庭教師してもらって
イジワル言って、からかわれて
それだけの関係で十分だと思ってたの…

それ以上は望まないって…

だけどね…

どんどん欲張りになってた。

イヤなの…他の人が側にいるの!

中谷さんでもイヤだ!

お似合いなんて思わない!」











涙がとめどなく溢れてくる







ハンカチで拭っても拭っても止まらない涙







『愛音おちついて!!

そりゃ、欲張りにもなるわよ。

キスまでされてるんだから…

でも
早坂先生…彼女いるのに、そんなことする人なのかなー?』