ピタッと立ち止まる吉井君






「わたし…
謝ろうと思ってたの…

みんなの前であんな風に突き飛ばしちゃったこと…」






『なんで愛音ちゃんが謝るの?

悪いの俺じゃん!

みんなの前ですることじゃなかった。

そのことで変な噂がたったり、イヤな思いしてたら…
ごめんね…―。』







「うんん…それはないよ?」





わかったんだ…






人の気持ちになって考えること






その場での言動や行動だけがその人のすべてじゃないこと







ひとりひとりに理由があって思いがあること






自分勝手な思いや価値観だけでは人と人の間ではやっていけないこと






けいちゃんに守ってもらいながら自分のことだけ考えていた私は…





なんて幼かったんだろう…