む☆げん愛

それから私たちは他愛ない話しをしながら歩いた。





王子様と話していると心があったかくなる。






時折、王子様と目が合うと、慌てて大きな声を出してしまった。





そのたびに恥ずかしがる私を見て、『おもしれー』とお腹を抱えて笑う王子様。






そんな笑顔と他愛ない会話のおかげで、図書館に着く頃には、さっきまでの恐怖は消えていた。






『じゃ、気をつけて帰れよ!』




そう言うと、王子様は右手をあげて爽やかに去って行った。