「ご…ごめんなさい…―。
また
子どもだ!ってからかわれると思って…」
『ガキ…』
「ほらっ!
すぐにそーやって……!!」
『あー、アホらし…
さっ!勉強始めるぞ!!』
いつもの俺様な態度の早坂さんだ
…………
………………
………………………
―勉強開始―
何ごともなかったかのように勉強が始まった
わたし…さっきまで
早坂さんの腕のなかにいた…よね?
あまりに普通すぎる早坂さんの態度に
さっきまでのことが夢だったんじゃないか…?
とさえ思えてくる。
「早坂さん…できました!
でも問⑧だけがわからなくて…」
わたしは立ち上がると
椅子に座りながらパソコンをしている早坂さんのもとへ…
『おー、早いな!?
ちょっと待てよ……』
問題を解いていく早坂さん
わたしが15分かけて解いた問題は
わずか30秒ほどで全て解かれてしまった
早っ!!
頭よすぎ…
『問⑧はな…
これを代入して……
この定理を使ったら
……こうなるわけだ。』
「あっ!そっか!
そうやって考えるんだ!」
早坂さんは教え方がうまい
的確にポイントになるヒントだけくれるから頭の中がごちゃごちゃにならなくて済む
あまりによく分かりすぎるので、がり勉気質な私は
しばしドキドキを忘れて勉強に夢中になれた……―