「あの!
家庭教師は……」






『あっ!そっか…
わりぃわりぃ…。』





どーせ私との約束なんてその程度ですよね…





なんだか切ない





「う〜…ヒドイ…。」






『わりぃ!
俺、ワインがけっこう回ってるみたいだわ…

だから、まずいんじゃないか?』






「大丈夫ですよ!

眠かったら寝てくれてもいいです!!」





やだ…
このままバイバイするなんて





『そういう意味じゃあ、
なかったんだけど……

でも、寝たら家庭教師の意味ねーだろ!!

だからまた来週…〈〈「それでもいいんです!」〉〉





すごいワガママ…





お母さんにだって言ったこともないようなこんなワガママ…






どうして早坂さんには言えちゃうんだろう






飾らない自分






ありのままの自分





素直な心





私って、こんなだったんだ…





『はぁ…。

どーなっても知らねーぞ…
ただ、酔い覚ましに歩いて帰るぞ!』





ため息をついた後、自転車を押しながらゆっくりと進む早坂さん





「はい!!!!!」





勉強なんてどーだっていい。ただ傍にいたいだけなの…







2人乗りして…

一緒にごはんを食べて…

並んで歩く…





こんな幸せな気持ち初めて知ったよ




好きな人の傍にいられるって幸せすぎる…






『おまえ…
なんかキャラ変わってないか?

初めは「私、人見知りで…」なんてオドオドと自信なさそーだったのに…

いつからそんなに自信たっぷりなやつになったんだ!?』






「早坂さんだからですよ!」




『…はぁ?』