さしだされたのは
いかにも老舗のお菓子っぽい緑の紙袋…





こんなに頑張ってコーディネートしたのに…







この紙袋に台無しにされるわけにいかない…






「いいよ!いいよ!
かえって気をつかわせるだけだよ?」






『でもねぇ…
お母さん、ご挨拶もしていないし……
お願いしますって…
持っていってちょうだい』




「…わかった。」





あー…――
せっかくの大人カジュアルがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!






私はしぶしぶ紙袋を受け取るとドアに手をかける






『愛音ちゃん!!

あなた

…勉強道具は?』







…――はっ!!!
しまった!!!!!







私ったら、
ついおしゃれすることに夢中になりすぎて







肝心なことを忘れていた…





優成に協力してもらって、
“優成の友だちのお姉さんに家庭教師をしてもらう……”


という事になっていた