む☆げん愛



《ガラリ》






行くあてなんてない私たちは保健室に避難した







『あらぁ。
どうしたの?』







梶山先生が出迎えてくれた





声の落ち着いた感じとは似合わない、幼い顔






幼い印象に見えるのはボブのせいかな?








『この子ちょっと体調わるくって……
少し休ませてもらえますか?』








こんなに泣き腫らした顔をして
何かあったのなんて
一目瞭然だ……






サボりがバレバレ……








梶山先生は“ふぅ〜ん”と私たちを伺うように見る






先生…顔ちっちゃいな…





目がクリンとしてまるでお人形みたいだ







『まっ…いいか!
ベッドなら空いてるから好きに使っていいわよぉ』








『やった♪
さすが先生!!
話しわっかるぅ〜♪』









『あら?花戸さん…。
私は教師として当然のことをしているまでよ?







誇らしそうにそう言う先生が、なんだか背のびをして言ってるようで






かわいい……――






「先生…なにしてるんですか?」








『あー、これ?
校内ポスターを作ってるの!“手洗いうがい”のね?』







校内ポスターだというのに

先生の机の上にはいろんな色の絵の具や
大小さまざまな筆が投げ出され、
とても素人の持ち物だとは思えなかった








「これ…先生の絵ですか?」






『えぇ。そうよー!』







『うまっ!!』