む☆げん愛



へなへな……
と力なく後ろによろめいた吉井君







『ゴメン……』






うつむいたまま、消え入るような声で呟く









「ど……どうして……
ヒック……こ…ヒック……こんなこと……ヒック…」







震えが止まらないカラダを必死で支えながら尋ねる








『……………。』







後ろからフワッと肩を抱きよせらた






「けいちゃん……。
ヒック…。ヒック…。」







『吉井?
わたしにはあんたのしてることは理解不能……!!!

愛音は好きな人ができて、これからって時なの!!

あんたのことはさっき
きっぱりと断ったでしょ?
もう構わないでもらえるかな?』







そう言ったけいちゃんの声は小さくて…………
少し震えていた







頭をかかえてガクンとうなだれる吉井君







『ほんと…ゴメン……。』








そう言い残して
みんなの注目を浴びながら教室をでて行ってしまった








『おぃぃぃ!!
しゅん、まてよぉ〜!!!!』







安部君が教室をでていくと
クラスのみんなの視線は私たちの方へ……――








『とりあえず…
私らも教室でよ!』







けいちゃんに肩を抱かれながら教室をあとにする