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『けい?

今は無理かもしれないけど、大学行きたいなら行ったらいいし

働きたいなら働けばいい。

俺は、仕事も父親も頑張るから…

結婚してくれ!』







空は晴れ渡っているハズなのに






私の心の中にはズドンといかずちが落ちた






みるみるうちに心の中で雨が降りだす






溢れでた雨は目からこぼれ落ちた






『遅いよ…バカぁぁぁぁ!』







『ごめん…

あんまりはよ言うたら
“真剣に考えてる?”ってけいに言われそうやと思って……

でも、俺なりに真剣に考えたつもり!』







そうだね。
私はきっとそう言う








でも…
妊娠がわかってからは
やっぱり不安だったんだよ





もしかしたら…――






って悪い想像もいっぱいしちゃった…






だから
亮のその言葉を聞けてすごく安心したんだ





『浮気はしないでね!』







『するかボケぇ!

だから、もー泣くんやめろ!

俺、けいが泣くとこなんか見たことないぞ?

どうしたらいいんかわからん…』






そう言いながらも亮の胸に引き寄せられる私





洗剤のほのかな優しい匂い…





香水はつけない主義の亮の匂い…






大好きな匂い…――






普段なら人目のあるところでなんて絶対にイヤだけど……
今だけ…――






私たちは

人目を少し気にしながら

電柱のかげに隠れて


遠慮がちなキスをした