この姉弟はそろって素直だ





お母さんの言うことを聞いて実行するのが簡単なくらい素直で我慢強かったんだろう






「はぁ…
なんかスゲー!!
目からウツロっていうかそんな感じです。
そーなんですよ!
うちの母さん干渉し過ぎなんですよ!!」







さっきまでは不審なものを見る目つきで俺のことを見ていた弟が目を輝かせている







「もう優成ったら……
目からウロコ!!だから…

でもそっか。
干渉かぁ…なんか合ってると思います。

わたし今までお母さんの目ばかり気にして受験校や友だちまで選んできたんだと思います。

自分で決めて進んだことってあるのかな…――」






俺は間違ったことは言ってない…――





だけど自分たちの大好きな母親をほとんど面識もないやつに“干渉し過ぎだ!”




なんて言われてるんだぞ?





こんな意見をすんなり受け入れるなんて
どこまで真面目で純粋な姉弟なんだ…――






『まぁでも…

お母さんが学力や才能をつけようとしたことだって、おまえたちのことを思ってしたことだ!

それだって愛情に変わりはねーよ!!

だから自信もて!!

大学受からなくてもスポーツ辞めてもお母さんがおまえたちを思う気持ちは変わらねー!!』








……言ってしまった






俺ってこんな熱いタイプだっけ?






あぁ…――






今晩の変な自分は
きっと当直あけで疲れてるせいだ






そういうことにしておこう





***end***