“運命の人”に気をとられていた私に女の人が気付く。
『外来の患者さん……
の、お友だちよね?』
「はは……どうも…」
力なくそう言って、慌てて地面に視線をやる。
私のまぶたは重く少し熱をもっていて
泣き腫らしたことがバレてしまうと思ったから。
『どうしたの?
こんなところで……』
優しい声と共に手を握り
腰を屈める女の人。
あー、あのときの看護婦さんだ。
私が
“早坂しゃん!”
と噛んでしまったとき
ニコニコと女神のような笑顔を向けていた看護婦さん。
キュッとひとつに束ねられた長い黒髪は
女の私でも触れたくなるくらいにきれいで
スラッと高めの身長は
どこかのモデルさんのようだった。
切れ長の目をくしゃっとさげれば
きれいめからかわいい系に変身する。
そんな女神の笑顔に吸い込まれるように
一瞬、見惚れてしまったんだ。
「私…今どんな顔してますか?」
顔を伏せて隠したつもりだったのに、バレバレだった。
『……んーーー…
……ここにいて!
早坂先生!わたしちょっとコンビニ行ってきます!』
そう言うと、女神は走って行ってしまった。

