「……お母さんなにもわかってない!!!! けいちゃんのことも亮ちゃんのことも!!! もう……やだ…… しんどい………」 私は力なくそう言うと リビングのドアをバタンと閉めて玄関までダッシュした。 涙でかすんだ視界はぼやっとしていて前がよく見えなかったけど、手元の感覚だけでスニーカーを履いた。 (追ってもこないし……) 私は勢いよく玄関の扉を開けた。 冷たい風が真正面からヒュウと吹き込んだ。 冷たい風は淋しさをより増幅させる。 辺りはまっ暗だった。 走って…… 走って…… 走って………